ポートフォリオ(ブックとも呼ぶ)って聞いたことはありますか?写真を見せるときに便利なツールで、フォトグラファー以外にもモデルやヘアメイク、スタイリストなど多くの人たちが使っています。
今回は、あまり知られていない「ポートフォリオ(ブック)」について、まとめてみました。
目次
ポートフォリオとは?
「ポートフォリオ」とは、簡単に説明すると「自分が撮った写真をプリントアウトし、まとめたファイル」のことです。
簡単に説明すると、文房具屋さんで販売している一般的なクリアファイルをもっと高級にしたものです。撮影した写真をプリントし、人に見せることで、自分自身の作品を「プレゼンテーション」するツールとして使うわけです。
なぜポートフォリオをつくるの?
アートディレクターやデザイナー、雑誌編集者に自分が撮った写真を見せて、お仕事をもらうためです。
自分が撮影した写真を、人に見てもらうためにはいくつか方法がありますが、もっとも身近な方法で、必ずやらなければいけないことが「ポートフォリオをつくる」という作業です。
ポートフォリオを持ち込んで見てもらう時間は、お互い真剣勝負でもあり、緊張する瞬間ですね。
ホームページやインスタだけでもダメというわけではないですが、アマチュアとプロの違いはまずここ(プレゼンテーションの仕方)にあります。
「私の写真を見てください」とアポが取れて、直接会ったときに、パソコンの画面で写真を見せられても、質感などは伝わりません。
発注者は、相手の経験と、フォトグラファーとしての「覚悟」を見ています。
実際に生のプリントをまとめられたファイルを見せられた方が、より質感なものを伝えることができるので有利です。
写真の仕事がしたかったら、すぐにつくりましょう。
ポートフォリオが必要な業種
フォトグラファーだけでなく、モデルやヘアメイク、スタイリストといった「撮影に関連する業種」の人たちは自分自身のポートフォリオをまとめる必要があります。特にフリーランスになったばかりの駆け出し時期はコネクションが少ないので、あらゆる努力をして仕事をもらえるようにしましょう(笑)。重要な営業ツールです。
デザイナー(グラフィックや建築など)の場合は、美大などで就活のためにつくりますよね。中身はやや異なりますが、目的は同じです。
一般的に、撮影関連者同士の日常会話ではポートフォリオよりも「ブック」という言い方をする場合が多いですね。(ポートフォリオっていうとなんだか気取ってる感じの響きがあるので)
<リンク:【使えるとプロっぽい】フォトグラファーの業界専門用語xx選!>
どんな見せ方がある?ファイルの種類は?
「ポートフォリオ」はおもに、
・ファイルの種類
・写真をプリントする用紙
などで、見せ方が変わってきます。
・ファイルの種類
大手量販店(ヨドバシカメラなど)や、撮影関連の機材を取り扱う専門店で選ぶのが一般的です。費用は、平均すると5,000~10,000円以上。バインダーファイル形式のものは、中に入れるリフィルと呼ばれる透明ファイルを、別途購入する必要があります。(同梱品もあり)
商業写真ではなく、ファインアートやコンテンポラリー作品を制作する写真家は、カチェットと呼ばれる無酸性紙のボックスに入れて、プリントごと見せるのが一般的です。
・写真をプリントする用紙
パソコンで制作した画像は、インクジェットプリンタで出力するために、必然的にプリント用紙を選ぶ必要があります。
フィルムで撮影している人は、当然ながら銀塩プリント用紙(いわゆる紙焼き)を使用します。
コストや手間をかけて、世界に1冊しかないものを作る
広告や雑誌など、商業写真を撮影するプロフォトグラファーは50,000円以上するファイルを特注で製作することもあります。
一番多いものは、革張りのファイルに、自分の名前をアルファベットなどで刻印したもの。
なぜそれほど高額なお金をかけるかというと、同じファイルが並べられたときに、少しでも作品をよく見せたい、という意図があるからです。
あるフォトグラファーは、量販店で購入したファイルに、海で拾った貝殻をたくさん貼り付けて、カスタマイズしているそうです。
もちろん、お金をかけることがすべてではないので「どうすれば自分の作品がよりよく見せられるか」ということを考え、オリジナルの一冊を作ってみるのもいいかもしれません。
iPadでもOK
パソコンで写真を見せるのはNG、とは言いましたが、iPadで見せる機会は増えています。
ポートフォリオはファイル+プリント20枚以上の組み合わせなので、きちんと編集すると最低でも2~3キロ以上にはなります。持ち歩くと疲れます…。
ただし、「この人に絶対写真を見てもらいたい」というときには、ポートフォリオとiPadの二段構えがいいですね。
iPadには、撮影時のアザーカットも入れてフォルダわけして見せると、実際の撮影がイメージしやすくなって効果的です。
まとめ:デジタル全盛期だけどポートフォリオは必須!
作品を見せるファイルひとつにも、人によって、それぞれかなりこだわりがあります。
今回は、フォトグラファーにとって重要な「ポートフォリオ」についてまとめてみました。
ほかの記事でも語っていますが、大事なのは他者との「差別化」です。
仕事をもらうために、ポートフォリオをつくることは必須です。
作品撮りの制作期間を含めると最低1年はかかりますが、地道にコツコツと積み上げていきましょう。