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ハウススタジオとは?借りる場合の相場費用と用途も紹介

2020年9月3日

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ハウススタジオとは?借りる場合の相場費用と用途も紹介

2020年9月3日

みなさんは「ハウススタジオ」という言葉を聞いたことはありますか?雑誌や広告、テレビなどの撮影で使用されるスタジオなのですが、屋外と異なる素敵な写真が撮れる、撮影のための専門的なスペースです。
本記事では「ハウススタジオ」についての詳細について、まとめてみました。どんな撮影に使えるかと、相場の費用感についても記載しています。

ハウススタジオってなに?

「ハウススタジオ」とは、おもに撮影のための施設で、一軒家やマンションの一室を撮影専門のスペースとして提供している場所のことです。

場所貸し(スペースレンタル)として1時間あたりの費用が発生するのが一般的です。スタジオ内の雰囲気は、欧米のアパルトマン、フラットと呼ばれるような造りが多く、漆喰の白い壁、ベッドやイス、ソファといったアンティークの家具、洋風のバスルームが備え付けられているといった特徴があります。

中には一軒家を撮影用に丸ごと改装した建物もあり、そのようなハウススタジオでは、屋外やテラス、屋上などのスペースを利用できる場合があります。

ハウススタジオの種類

ハウススタジオには、いろんな種類があります。一部を紹介します。

ヨーロピアン(プロヴァンス風)

白い漆喰壁にテラコッタやモザイクのタイル、アーチ型の窓、木製の扉に鉄(アイアン)製のドアノブや手すりなどが特徴です。家具以外にも、観葉植物やバスケット、洋書などの小物が置いてあることが多いです。そのほかの雰囲気のハウススタジオに比べると、費用は比較的割高です。

アンティーク風

プロヴァンス風とやや雰囲気が似ている物件もありますが、全体的にシャビー(やや使い古された、使用感のある)家具などが設置されています。白壁が中心の場所から、全体的にウォールナット風の濃茶色の木で作られた重厚感のある場所まで、幅広いです。

アメリカン風

アルミ製に筆記体のポップな看板、ネオン管のサイン、原色を使ったカラフルな色合いのスタジオです。アメリカによくあるダイナーやハンバーガーショップ風のテイストを表現しています。(あくまでも日本人がイメージする「アメリカ」なので、実際にアメリカ国内にあるダイナーなどとはやや雰囲気が異なる部分もあります)

和風建築

畳敷きで杉や桐の大きなテーブル、タンス、食卓などが備え付けられている「和式」の物件です。再現ドラマなどでも使用されます。
一般家庭のどこにでもあるダイニング、リビング、オープンキッチンといった洋風の要素を取り入れた現代的な内装の物件や、藁葺き屋根や縁側、仏壇などがある旧日本家屋風の建物などもあり、撮影テーマによって利用される機会が異なります。

特殊用途

そのほかには、病院、学校、工場、廃屋などをイメージしたスタジオなどもあります。いわゆる「洋風の物件(アメリカンを含む)」のみをハウススタジオとして区別する場合と、このような場所をすべて含めて「ハウススタジオ」とひと括りにして呼ぶこともあります。

どんなときに使う?

おもに、写真(スチール・静止画)や、動画(ムービー)の撮影のために使用します。
特に東京都内や近郊に所在する物件が多いのですが、理由としては屋外撮影のみだと同じ絵になりやすく、長時間&大人数での撮影に関しては許可取りが必要なため、落ち着いた撮影が難しいことが挙げられます。

写真の場合はスタッフ、モデルを入れて最小2~3人程度のメンバー構成ですが、ムービーとなると10人を超えることは多いので。
また、屋外では背景への電線や歩行者、クルマなどの写り込みにも配慮が必要です。
撮影が行われる分野については、写真の場合は広告や雑誌、ストックフォトなど、動画はテレビ、CMやドラマといった幅広いジャンルがあります。

おもな利用用途:

写真撮影(スチール)
ポートレート(人物)
化粧品や雑貨などのイメージカット
料理
ストックフォト(人物、雑貨、料理 etc.)
芸能人のインタビュー、映画などの囲み取材
作品撮影

動画撮影(ムービー)
CM
VP(店頭用動画)
MV(ミュージックビデオ)
ドラマ
ストック動画(人物、雑貨、料理 etc.)
芸能人のインタビュー、映画などの囲み取材
作品撮影

また、ハウススタジオを借りる目的としては「おしゃれな絵作りをしたい」「自然光を使った雰囲気のある絵がほしい」といったケースが多いです。

どうやって借りる?

ハウススタジオを借りるには、出版社や制作会社、テレビ局に所属している必要はありません。基本的には、お金さえ払えばだれでも借りることができます。
ただ、先方に迷惑をかけないためにも、基本的な知識を押さえておく必要がありますので、注意しましょう。
スタジオについての詳細は、別記事にまとめます。
(リンク 別記事紹介)

ハウススタジオの相場費用感

白ホリゾントと呼ばれるスタジオと比べると、ハウススタジオの費用はやや高額です。最近は安価な場所が増えていますが、内装や小物類に力を入れている場所については、費用が高めに設定されている傾向にあります。
おもに、時間制の料金設定が行われていることが多いです。

1時間あたりのレンタル費用:
15,000円以上~
10,000~15,000円
5,000円前後

目安としては、上記の3パターンにわけられます。
「6時間利用」「1日利用(8時間程度)」など、ディスカウント費用が設定されていることもありますので、確認してみてください。

「建物一棟貸しでスペースが広い」「部屋の数が多くてさまざまなバリエーションの背景で撮影ができる」というところほど、費用は高額になります。
もともとは「1時間15,000円以上」が相場でした。
5,000円だと、パーティなどでも使用できるレンタルスペースやレンタルカフェという場所が多いです。マンションの一室、というところが多く、多人数だと収容が難しくなるケースが多いです。

ハウススタジオ利用時の注意点

どこも時間を超過してしまうと延長料金が加算されてしまうため、事前確認がマストです。
また、ハウススタジオは原則、自然光をメインとした柔らかい雰囲気の撮影を想定していて、夕方になると極端に暗くなる場所も多いです。
朝10時からスタートして冬場だと15時、16時には三脚を使わないと撮れない、というケースもありますので、事前のロケハン(物件内の確認)はしておいた方がいいでしょう。
ときには、準備に時間がかかり、予想以上に暗くなってしまってイメージ通りの写真が撮れなくなった…ということも。。
また、極端に電力量の多い機材セットは使用不可、という場所もありますので注意が必要です。

ハウススタジオのまとめ

今回は、撮影でよく利用されるハウススタジオについてご紹介しました。

・ハウススタジオは、撮影専門のスペース
・洋風をはじめいろんなタイプがある
・広さや内装によって料金が異なる
・料金は原則、時間制
・延長費に注意

自分で撮影をしない人でも、物件好きな人は内装写真をネットで見て回るだけで楽しいですよ。

ハウススタジオでの撮影で感じるのは「背景の重要さ」です。特に何も準備しなくても、それなりにいい写真が撮れてしまうことも多いです。ただ、それだけに光の使い方をうまく考えるなど、自分なりのテイストを出せる工夫は必要です。
内容をまとめているうちに、ハウススタジオで写真が撮りたくなってきました(笑)。
ぜひみなさんも、参考にしてみてください。

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Atsushi Yamada

Atsushi Yamada

写真家。ときどきディレクターもやってます。 ワーホリ渡豪、20代で出版社立ち上げてフリーに。 英会話は日常会話レベル。都内の自社スタジオに棲息。 ブログでは写真や文章、クリエイティブ全般について語ってます。

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