Adobeシリーズと言えばグラフィック分野では欠かせない存在で、かつては買い切り製品が主力でした。現在はサブスクであるAdobe CCが主流となっています。さっそく、どんなメリットがあるか見ていきましょう。
そもそもAdobe CCとは?
Adobe CCとは、Adobeが提供するサブスクリプションサービスです。
「Adobe Creative Cloud」の略で、月額費用を支払うことでさまざまなアプリケーションソフトウェアを使えるようになるサービスです。
かつてはそれぞれのアプリが独立して販売されていましたが、Adobe CCになったことでひとつのパッケージとして提供され、一度に多くのソフトウェアが利用できるようになりました。
Adobeの製品はグラフィック分野(写真や動画の編集、イラストやデザインの作成など)で長く使われており、クリエイティブ業界で働く人にとってはほぼ必須となっています。
また、近年はフリーランスや副業で稼ぐ方が増えたこともあって個人で使用するケースも多く、クラウドを活用したサービスの提供はAdobeにとっても利に適っていたため、現在は買い切りでのサービスはほぼ終了しました。
サブスクリプション(定額制)ということで毎月の支払いに抵抗感を持つ方がいる一方、高額な買い切りアプリと違って利用しやすくなっており、敷居が下がったことを喜ぶ方もいます。
Adobe CCでできること
Adobe CCでは具体的にどんなことができるのか、簡単に見ていきましょう。
1.写真の編集(Lightroom、Photoshop)
写真編集アプリはAdobeの顔とも言える存在で、撮影した写真をより魅力的に仕上げることができます。Photoshopは、イラスト作成に使うことも多いですね。
2.チラシやカタログ、バナーのデザイン(Illustraor)
印刷業界などで使われるIllustraorは、デザイナーに必須のアプリとされています。チラシやカタログ、バナーをデザインできるだけでなく、3DCGの作成にも使えるでしょう。
3.雑誌や書籍、カタログのデザイン(Indesign)
Indesignは印刷物のデザインに使われるアプリで、書籍やポスターの作成に使われています。出版や広告業界で働くなら、欠かせないアプリの1つです。
4.動画編集(Premiere)
画像だけでなく、動画の編集もAdobeの得意分野です。Premiereは撮影された動画にさまざまな素材を切り貼りできるため、いろんなジャンルの動画作品に使われています。
5.動画にかっこいいエフェクトを追加する(After Effects)
ふだん当たり前のように目にしている派手なCMやテレビ番組のエフェクトは、After Effectsを用いてつくられています。動画制作は、基本的にPremiereとAfter Effectsで作業を進めていきます。
6.PDF書類を編集する(Acrobat Pro)
書類などに使われているPDFのフォーマットもAdobeが生み出したように、それらを編集するためのアプリも提供されています。それがAcrobat Proであり、無料のビューワーに比べるとすごく高機能です。
7.クラウドストレージの利用
端末間での同期やバックアップに欠かせないクラウドストレージ。Adobe CCにはこのクラウドストレージも含まれています。コンプリートプランで契約した場合、なんと100GBもの容量が利用できます。
以上がおもなAdobe CCの機能であり、どれもビジネスで活用されているのはもちろんのこと、プライベートでも使われることが多いです。
Adobe CCのプラン
Adobe CCにはいくつかのプランがあり、個人で使う場合は以下のような違いがあります。
コンプリートプラン
月額費用=5,680円
デスクトップアプリ=すべて使用可能
モバイルアプリ=すべて利用可能
クラウドストレージ=100GB - 10TB
フォトプラン
月額費用=980円~
デスクトップアプリ=3つ(Photoshop、Lightroom、Lightroom Classic)使用可能
モバイルアプリ=すべて利用可能
クラウドストレージ=20GB - 10TB
単体プラン
月額費用=2,480円
デスクトップアプリ=1つ(Photoshop、Illustrator、InDesign、Acrobat DC、Dreamweaver、Animate、Premiere Pro、After Effects、Audition、InCopy、Adobe XD、Dimensionのうち1つ)使用可能
モバイルアプリ=すべて利用可能
クラウドストレージ=100GB
3つのうちコンプリートプランが1番充実しており、フォトプランが基本的な内容となっています。単体プランに関しては割高になりやすいため、特殊な利用目的でもない限りはおすすめできません。
どのプランを選ぶべき?
Adobe CCのプラン選びで迷ったら、以下のように考えてみてください。
フォトプランがオススメのケース
フォトプランはその名前の通り、写真編集に必要なアプリだけがコンパクトにまとまっています。このため、「写真編集ができれば十分かな」と考えている方にはピッタリであり、低価格でありながらも充実した機能を実感できるでしょう。もちろん、イラスト作成にPhotoshopを使っている方にもおすすめです。
一方、動画編集はできないので、動画制作に関わる仕事をする場合はコンプリートプラン
コンプリートプランがオススメのケース
写真編集だけでなく動画編集やPDFの編集を行いたい場合、コンプリートプランがピッタリです。
Adobeの高機能なアプリをすべて使うことができるため、デザイン業界でお仕事をされている方や業界への転職を考えている方にも役立ちます。
Adobe CCのプランを選ぶなら「写真編集のみか、ほかのデザインもするか」で決めると分かりやすいでしょう。
あるいはフォトプランで使い始め、ほかのデザインをしたくなったらコンプリートプランへ切り替える…という選択肢でもOKです。
Adobe CCの契約方法
Adobe CCの契約方法について、解説します。基本的にはIDとパスワード、支払い方法を入力して必要なアプリをインストールするだけ。簡単に利用できます。
個人版のプラン一覧ページへアクセス
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購入するプランを選んで「購入する」をクリック
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Adobe ID(メールアドレス)を入力する。まだIDがないなら作成する
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パスワードを入力する
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支払い方法を選択
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購入が完了したらログインする
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ログイン後に右上のアイコンをクリックしてWebアプリとサービス→Creative Cloudをクリック
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使用可能なアプリが表示されるので使いたいものをインストールする。初回は「Creative Cloud デスクトップアプリケーション」がインストールされる
以上です。コンプリートプランであれば、基本的に全アプリが使えるようになります。
申し込めばすぐに利用できるため、仕事でその日のうちに作業を行いたい方でも安心です。
ただし、万が一のトラブルですぐに利用できないこともありますので、余裕を持って早めに申し込みしましょう。
初めて契約する場合は無料期間のトライアルがあるので、心配不要です。
また、OSのバージョンによっては使えないアプリも存在します。Creative Cloudの管理画面にてチェックし、必要に応じてアップデートしてください。
Adobeの場合は印刷データを扱う性質上、Office製品(Microsoft)などのアプリに比べて、古いバージョンのOSにも対応していることが多いです。さまざまな異なる環境でも、トラブルなく納品データをつくることができるようにするためです。
(基本的に、直近4~5年以内ぐらいのOSには対応しています)
まとめ
Adobe CCを契約すればさまざまなクリエイティブツールがその日のうちに利用できるため、写真やデザインのお仕事をされている方はもちろんのこと、副業や趣味で創作活動を行っている方にも役立ちます。
使いこなすには多少の時間が必要ですが、Adobeが提供しているオンラインチュートリアルもあります。
がんばってマスターしていきましょう。