旅の面白さと現地情報を文章で表現する。旅好きな人にとって憧れの旅ライターですが、どうすれば目指せるのでしょうか。今回は旅ライターになる方法をまとめてみます。
目次
旅ライターという仕事
旅ライター、あるいは旅行ライター、トラベルライターという仕事は昔からあります。記事を読むだけで、読者が「旅をしている気分」になれるため、需要のあるジャンルです。
最近は、旅の体験談を売りにするWEBメディアも増えてきました。
基本的にはいままでにしてきた旅の経験や、海外旅行・国内旅行におけるお役立ち情報(現地のおすすめスポットやおいしい食べ物)、旅行のノウハウ(航空券の買い方、節約術、荷物のまとめ方)などを記事にして、報酬を得ることが一般的です。
仕事は、WEBメディアや雑誌からおもに取材なしの「書き原稿」と、「現地取材を含む原稿」の2パターンのいずれかで依頼されます。
旅ライターのクライアントはWEBメディアや出版社、そのほかには制作会社、広告代理店といった企業が中心です。また、自社メディアを運営している旅行会社、メーカーなどから直接タイアップを依頼されることもあります。
どうすればなれる?
最初は「旅」をテーマにするWEBメディアから仕事を得るのが一番の近道です。「旅 ライター 募集」などで検索して探してみましょう。
ただし、需要が多いだけに競争も激しい(旅ライターになりたい人が多い)ために、「これ!」といった売りになるものがあった方が望ましいです。
たとえば、特定の国や地域に詳しいと有利です。例としては「スカンジナビア半島を踏破」「タイに20回以上行っていて現地のおすすめスポットに精通」「台湾在住」「日本全国を自転車で回ったことがある」といったものです。
海外旅行100回以上、という経験でもかまいません。
編集者やメディア担当がぱっと見て、何かしら目を引く情報があると採用される確率が高くなります。
旅ライターに求められるスキル
旅ライターとして「これはあった方がいい」というものを、順をおって紹介します。
得意な分野
前の項目にも記載しましたが「特定の国や地域に詳しい」と有利です。
また、「バックパッカー」「節約術」「青春18きっぷ」など、ほかの人に負けない分野があると強みになります。
写真撮影の技術
旅ライターの場合、記事だけでなく写真の提出を求められる場合があります。写真と記事をセットで提出することで、報酬もアップします。
そのため、最低限の写真技術は必須になります。必ずしも一眼レフカメラを購入する必要はありませんが、ミラーレス一眼は持っていた方が無難です。iPhoneメインで撮影をする人もいます。
iPhoneの使い方に詳しいと「iPhoneで撮る旅写真」のような記事を依頼されることもあります。
旅写真のストック
旅の経験が豊富でも、旅先の写真がまったくないと記事の構成が難しくなります。「原稿のみ」でも記事をつくれなくはないですが、過去に撮影した旅先の写真のストックがあると、より仕事を得やすくなることは間違いありません。
企画力
たとえば「◯万円以下でできるプチ旅」のような、独自の企画が提案できるとつぎの仕事につながりやすいです。また、場合によっては連載企画を依頼される場合があります。
旅ライターは稼げる?収入は?
ライターとして稼げるかどうかは(ほかのジャンルと同様ですが)、その人次第という部分が大きいです。寄稿者を集めるために「旅ライターは1000万円以上稼げる」とうたっているメディアもあるようですが、現実はそれほど甘くありません。
旅ライターとして生活するには、「旅の経験」もしくは「旅をすること」が求められます。
WEBメディア
最初は「自分の体験談を記事にして、掲載してもらえるだけでラッキー」という心構えが必要です。場合によっては無報酬や数百円からのスタート、というのも少なくありません。
それなりの記事レベルが納品できるライターだと、写真込みで数千円(2,000~5,000円)といった報酬金額からのスタートが多いようです。
また、大手メディアの場合、企画提案から行うことで1本あたりの原稿料が1~2万円以上になるケースや、インスタグラムやTwitterなど、SNSで影響力のあるライターだと、タイアップ案件(企業広告)で1本5万円以上という場合もあります。
一見すると華やかですが、現地までの旅費や滞在費を自己負担する場合も多く、現地に出かけて滞在し、戻ってくるという拘束時間を考えると、1カ月に書ける原稿の本数は少なくなってしまいます。
雑誌・フリーペーパー
WEBメディアと異なり、とページ単価(1ページあたりの金額)で支払われるため、報酬金額が10万円を超える場合もあります。ただし、競争が激しいジャンルということもあり、どちらかというと写真メイン(旅写真家で文章を書ける人)の方が優遇されます。
広告代理店や制作会社から依頼される企業タイアップの案件も、相対的にギャラは高めです。
紙媒体の場合、現地までの交通費は別途支給、または旅先で撮った写真を持ち込みして仕事をもらう、という方法が一般的です。
旅の書籍・ムック
紙媒体の場合、編集も込みで仕事を受けると大幅に費用感がアップします。(その代わり、作業量も増えます)
この場合の「編集」とは、台割という設計図やラフレイアウトの作成、デザイナーへの指示、自分以外のライター手配、校正業務などが含まれます。
丸々一冊を手がける場合、もろもろの経費込みですが合計の予算が数百万円になることもあります。
最後に
今回は、旅ライターについてのお話でした。けして甘い仕事ではありませんが、「旅が好き」という思いとそれなりの文章力・構成力があれば、いずれ仕事をもらうことはできます。「文章を書く」というモチベーションを保つには、ライターの入り口としてとてもいいジャンルだと思います。
「自分の体験を伝えたい」という人は、ぜひチャレンジしてみてください。