「スナップ写真を撮りたい!」と思って、繁華街に出るときってありますよね。
街にはたくさんの魅力的な被写体にあふれています。
交差点で行き交う人々、背の高いビル、移りゆく雲と空の色。
ぱっと見、どこにでもある日常のように見えるけど、
ファインダーをのぞくと、そこには「自分だけの世界」があります。
自分だけの視点で、世界を切り取る。
それがストリートで撮るスナップ写真の魅力です。
ただ、撮影に集中しすぎてて、時にはトラブルに巻き込まれてしまうことも。
特に、繁華街のような人が多い場所では要注意です。
特に、夕方から夜にかけての撮影では、「客引き」に(写真を撮っていない人でも)よく遭遇するのではないでしょうか。
本記事では、繁華街でよくあるトラブルの回避方法、にあってしまった場合の撃退方法(正確にはかわし方)をお伝えしたいと思います。
写真をふだん撮らない人でも使えるテクニックですので、ぜひ参考にしてください。
(*基本的にはネタ記事なので、興味のある人だけ読んでください)
目次
繁華街でスナップ写真を撮るときの注意点
まず、大前提として「写真を撮られたくない」という人も多いです。
もしあなたが街を歩いていて、急にカメラを向けられたらどう感じるでしょうか。
寝坊して寝グセがついていて、しかもぼーっとしている顔を撮られたら最悪ですよね。
法律的なこと以前に「撮られたくない」という人が普通に歩いていることを、頭に入れておきましょう。
また、私有地などで撮ることもNGです。
SNSでだれでも情報拡散ができる時代なので、道路交通法に違反する行為は(違反と思われてしまう行為も含む)絶対避けるようにしてください。
魅力的な被写体に出会ってしまったら……
とはいえ、あれもこれもダメ、といっていたらそもそも写真という表現自体が成り立たなくなってしまいます。
写真を撮ること自体は当然ながら違法ではありません。
「魅力的」と感じた瞬間には、シャッターを切りましょう。
「客引き」さんには絶対に付いていかないのが基本!
日暮れ&夜の繁華街でもっとも遭遇するタイプが「客引き」のみなさんです。
正直なところ、彼らも仕事でやっていますので、別に悪気があるわけではありません。
自治体によっては条例で厳しく禁止されているため、やたらと声かけをすると逮捕されるリスクをおっています。
ただ、なかにはしつこく追いすがってくる人がいるのも事実です。
「お客さん、お遊びは?」
「お客さん、キャバクラどうですか?」
ぐらいならまだOKなのですが、明らかにあやしいお店に連れていこうとする人もいます。
ときには優しそうに見える人もいますが、付いていかないようにしましょう。
僕も絶対に付いていかないように決めているのですが、新宿・歌舞伎町で二度ほど客引きに付いていったことがあります。
「客引き」に付いていった失敗談
一度目は居酒屋の客引きでした。写真家仲間5人ほどで歩いていて、行く店が決まっておらずに「どうしよう」とちょうど悩んでいたところでした。
見た目はいい感じのお兄さんで、見せてくれた居酒屋のメニューも見たことがある店名だったため、「みんなも一緒だし、だまされることはないだろう」と判断してそのお店に入ることに決めました。
想像していた通りに普通の居酒屋だったのですが、極端に狭いボックスシートに男5人のメンバーは押し込められ、「付いていかなければよかった……」と後悔しました。
二度目は、ガタイのいい黒人のお兄さん。日本語はカタコトだったのですが、独特のアクセントからするとアフリカ系なのかな、と感じました。
(海外で生活したことがあると、相手が日本語をしゃべっていても、英語をしゃべっていても、なんとなくアクセントでどの地域出身なのかわかります)
お世話になっていた出版社の社長と飲んでいたときで、なぜかその黒人のお兄さんがおすすめするお店に行くことになりました。当初はあまり乗り気ではなかったのですが、勢いですね。
入ってみると、場末のバーのような雰囲気で、アジア系の女性が接客してくれました。
ぼったくられることはありませんでしたが、いまとなっては怖い思い出です。
お酒の勢いって怖いですね……。
「客引き」のかわし方
僕は写真家としてデビューしたときからずっとスナップ写真を撮っているため、当然ながらきわどいトラブルに巻き込まれそうになったこともあります。
なぜか、1日のうちに3回、警察から職務質問されたことも……。
客引きに会ったときに、大多数の人は「無視」するのが基本だと思いますが、しつこく追いかけられたときにはどうすればいいのでしょうか。
一番、効果的な「客引き」のかわし方は、
軽く頭を下げて、
「すみません、同業です」
の一択です。
女性であれば「すみません、これから出勤なので」でもいいでしょう。
この一言を口にするだけで、意外なほど「あ、そうでしたか」とすんなりリリースしてくれます。
もし、一眼レフやミラーレスを首から下げていると説得力が弱まるので、歩きながらささっと相手の反対側に持ち替えてから伝えるようにしましょう。カメラのことについて突っ込まれたら「お店の撮影なんです」と言えば大丈夫です。
余計なトラブルを避けつつ、だれも傷つけずに断ることができるので、おすすめです。
また、イヤホンを付けている人には、基本的に声をかけづらいので、自分から断るのが嫌な人はイヤホンを付けて撮影するのも効果的です。
さらに勇気がある人は……
コミュ力と交渉術に自信がある人は、「カメラやってるんですけど、仕事ありませんか?」と逆営業するのもいいかもしれません。
キャバクラをはじめとした夜のお店は、必ずプロモーション用の写真が必要になります。
ヘアメイクさんで、夜のお店のヘアセットを担当している人も少なからずいます。
僕が以前会った女性フォトグラファーは、ホストやキャバクラの写真をメインに活動していて、いつしか、その世界では「あの人知ってる!」という風に言われるようになりました。
ただ、だれにでもできることではないですし、昔に比べて減ったとはいえ、まだまだあやしいお店が存在することは事実です。気をつけるようにしましょう。
「客引き」のかわし方のまとめ
今回は「客引き」に会ったときのかわし方について説明しました。
・道路交通法やプライバシーなど、ルールを守って撮影する
・「客引き」には付いていかない
・「客引き」は「同業です」の一言でかわせる
・勇気のある人は逆営業してみる(ただし自己責任で)
「これから路上スナップを撮ってみたい」という人は、ぜひ参考にしてみてください。