昨日は、新宿のレンタルスペースにて撮影。
いわゆるプロ向けの撮影スタジオではない、カフェやマンションの一室を利用して撮影することが最近増えています。
いまや、写真を撮ること自体は誰にでもできる時代。「シャッターボタンを押すだけ」のフォトグラファーの価値は下がっています。
今回は、撮影場所やイメージの提案方法について、まとめてみます。
目次
本撮影のきっかけ
ローンチ前のためにあまり詳しい内容は書けないのですが、インテリア関連の撮影でした。
ここ数年は自社スタジオで撮影することが8割以上で、外で撮る機会は以前に比べてだいぶ減りました。
(ストリートスナップなどの写真を除きます)
今回、おまかせでイメージカットを撮影することが決まり、自分のスタジオの中で試しに数カット撮ってみたのですが、少しきれいにまとまりすぎるな、と感じていました。
イメージカットとは「背景などの雰囲気を入れた写真」で、白い背景の写真、つまり白バックの切り抜きカットと呼ばれるものとは異なります。
自社内でセットをつくって撮ることもできたのですが、外部のスペースを利用した方がクオリティも高くなるかなと感じたので、場所を探すことにしました。
「どんな写真を撮りたいか」というイメージを決める
写真は、技術ではありません。
もちろん技術も大事ですし、「カメラやストロボ機材を使いこなせること」はプロとしての必須条件です。
ただ、そうした技術はすべて「フォトグラファーの頭の中にあるイメージをいかに実現するか」というツールでしかありません。
広告撮影など、予算が潤沢にある場合はデザイナーやアートディレクターが事前にカンプ(仕上がりの見本)を作成します。
なぜなら「失敗ができないから」です。
カンプがある場合には、そのイメージに近づけるということが必要になりますが、言われた通り撮るだけだったらだれにでもできますよね。
近年はHPやSNS、クラウドファンディングなど、写真の使用用途は多岐にわたっているため、事前にイメージが提示されない撮影も増えてきています。
「思っていたカットと違っていた」ということを避けつつ、「自分らしい写真」を提示することが求められます。
イメージを提案するには?
仕事として撮影を依頼された場合、クライアントとイメージの相違を避ける必要があります。そのためには、2つの方法があります。
・過去に撮った写真から近いイメージのものを見せる
・ネット検索して、アイデアのソースを集める
撮影の前に、お互いの頭の中にあるイメージを近づけることが重要です。
撮影場所の選定方法と探し方
続いて、撮影場所の選定です。今回はどちらかというと男性を対象としたプロジェクトなので「都会的な生活」「みんなが少し憧れるようなライフスタイル」を演出することが大切でした。
撮影スペースの検索サイトを利用する
ネット上には、カフェやイベント、撮影用のレンタルスペース検索サイトがあります。
・インスタベース
・スペナビ
などが有名です。場所によって利用規約が異なるので、事前に確認しましょう。
予算と場所を決める
これは一番大事ですね。外部のレンタルスペースは1時間あたりのレンタル費用が発生することが大半です。すごく雰囲気のいい場所だったとしても、レンタル費に20万円以上かかってしまったら大変です。
なるべく安価で、アクセスの良い場所を探しましょう。
キャンセル費・延長料などの確認
キャンセル費や延長料の有無についても要注意です。また、こうしたスペースの利用はクレジットカードによる事前支払いが主流ですので、場所を押さえる前に「確定の場合は料金が発生します」ということを事前にクライアントに伝えておくことが重要です。
また、最近は事前のロケハン(下見)にも別途費用を設定しているところが多いようです。
家具や小物をチェックする
家具や小物類に関する知識も必要です。置かれている家具がミッドセンチュリーなのか、北欧風なのか、カントリーなのか。
テーマにそぐわない小物が写り込まないか。安っぽい雰囲気のものがないか。
普段からアンテナを張り、さまざまな知識を増やしておきましょう。
「現場に行ってみたけど、思っていたイメージと違った」ということを避けるために、場所の情報については撮影イメージと同様、確実に事前共有するようにしておきたいですね。
まとめ
今回は、外部スペースで撮影を行う際の注意点についてまとめました。
フォトグラファーを目指す人や、クリエイター志望の人が知っていると便利な情報ですが、もちろん特別な技術がなくても、センスさえあればちょっとした写真は撮れます。
ぜひ興味がある人はチャレンジしてみてください。
5年ほど前まではレンタルスペースはそれほど一般的ではなかったので、作品撮影にも1回につき2〜3万円か、5万円以上を支払ってハウススタジオなどを借りていました。
いまは本当にいい時代になりましたね。
みなさんもこうした設備をできるだけ利用して、いい写真を撮影してください。