将来、フリーランス・副業で写真や記事作成の仕事をしたい、と思っている人。はたしてどちらの方が効率的なのか?疑問に感じることは多いはず。本記事ではそんな疑問にお答えします。
報酬単価の違い
フォトグラファーの方が、ライターよりも時間給で計算すると高い報酬を得やすいです。
つまり、1本あたりの仕事で「たくさんお金をもらえる」ということです。
ですが、だからといって必ずしも「フォトグラファーの方が稼げる」とは限りません。
なぜかというと、仕事をし続けるためのコストが異なるからです。
機材コストの違い
プロのフォトグラファーとして仕事をしていくためには、下記のような機材が必要になります。
・フォトグラファーの必要機材
一眼レフカメラ
レンズ数本
パソコン(デスクトップ、ノートパソコンの2台)
パソコン関連機材(ハードディスクなど)
ストロボ機材
そのほかの機材(三脚、背景紙など)
自家用車(電車でも移動可能だが、大きな撮影は厳しい)
ひと通り揃えるだけで100万円は超えます。
また、道具=消耗品なので、大事に扱っていたとしてもいつかは壊れます。直すためには修理代が発生します。
カメラは数年おきに新しいものに買い換える必要があるため、そのたびに数十万の費用がかかります。
さらに、カメラ1台だけで仕事をしている人は少数派です。予備のカメラを入れると少なくても2~3台を所有していることが多いでしょう。
対して、ライターの場合はこちらです。
・ライターの必要機材
パソコン(ノートパソコンが中心)
ICレコーダー
スマートフォン
筆記具(ペン、ノート)
フォトグラファーに比べて、ランニングコストがかなり抑えられます。
もちろん、専門知識を習得するために、書籍を買うこともあるでしょう。
ただ、同様の情報収拾や勉強はどちらも行っていると想定し、必要機材にはあえて入れていません。
時間効率の違い
フォトグラファーの場合、「撮影現場に行って写真を撮る」というのがおもな拘束時間に当たります。
ただ、その後、カメラを持ち帰ってパソコンにデータを読み込ませ、明るさや色味の調整を行い、適切なJPEGデータなどに書き出しをしてから納品します。
場合によっては「レタッチ」といって画像の修正を行うため、そのぶんの工数もかかります。
ライターは取材時間プラス、原稿を書く時間も拘束時間になります。インタビューでは、原稿作成だけでなく「テープ起こし」の時間も必要です。
また、いずれも現場まで往復するための移動時間が発生します。
どちらも取材(または撮影)のあとにそれなりの作業時間が発生しますが、ライターは原稿作成後にクライアントから「戻し」と呼ばれる赤字が入り、修正対応を行うことが多いため、フォトグラファーよりも拘束時間が長くなりがちです。
ただ、原稿作成のみで取材なし、修正もなしという案件もあるので、効率よく進めていく方法をうまく考える必要があります。
「差し替えが効かない存在」かどうか
これって僕自身がフォトグラファーなのであまり書くのも…という感じなのですが、あえて書きます。
実際のところ、それなりの案件であればフォトグラファーの場合、「他の人でも差し替えが効く」と考えられることが多いです。
つまり、1回仕事をもらっても継続案件になりにくく、「次回は他の人に頼んでみよう」となる場合が少なくありません。
たとえばWEBデザイナーや雑誌のデザイナーだと、新しいクライアントと仕事をする際には、最初に細かいガイドラインを覚える必要があります。さらに作業の進捗に合わせて、メールや電話指示で修正を何度も行ううちに「他の人に頼むより、慣れてる人に頼んだ方が楽」という状況をつくりやすくなります。
慣れれば「いつもの感じでお願いします」のひとことだけで済みますしね。
ライターも同様で、さらに「イメージ通りの記事を上げてくれる」という人は貴重です。
なので、ライターの方が圧倒的に「差し替えが効かない」存在になりやすいです。
フォトグラファーの場合、「絶対にこの人に頼みたい」と思わせるスキルや個性が必要になります。
「撮影」と「ライティング」のどちらが稼げる?
目先の金額だけを取り上げると「撮影」の方がより稼げます。独立したての仕事でも1~2万円といった案件はこなせるからです。
原稿作成で2万円以上を稼ごうとすると、取材もセットで行うか、あるいは専門的な分野の知識を身につけることが必要です。
ただ、長い目で見ると「撮影」の場合、広告案件などをこなせる技術がないと、思ったようにギャラの単価が上がらない=頭打ちになってきます。
さらに、機材費もかかってくることを忘れてはいけません。
「ライティング」はスキルを身につけることで、WEBサイト全体のディレクションやコンサルといった業務を手がけることもできるようになります。そうなると、報酬金額も数十万を超えるようになります。
「稼げること」だけを最終目標にしない方がいい
フリーランスの場合、稼働時間=お金です。夢を仕事にするとはいえ、個人事業者です。
きれいごとではないので「報酬を得る=その人の評価」につながります。
とはいえ、あまりにも目先の費用だけにとらわれすぎるのもよくないでしょう。
クライアント(発注者)も、実際には「予算がなくて申し訳ない」と心苦しく感じているかもしれません。
新しい学びを得られたり、人間関係が広がったりなど、金銭面では測れないメリットも多くあるはずです。
要は、自分自身が楽しくその仕事を担当できるかということ。
文章を書くのが好きで、何か依頼がくればチャレンジした方がいいですし、写真に関しても同様です。
自分の中でうまくバランスを取りながら、前へ向いて進んでいってください。