本日はシューズ・ブランドの撮影、都内の某カフェ風スタジオでした。
自然光が入る素敵な場所だったのですが、せっかくなので自然光を使った撮影のポイントをシェアします。
撮影までの経緯
以前、靴のモデル撮影をご依頼いただいた方から「ブランド側のスタッフを交え、立ち合いで撮影を実施したい」という相談があったのがきっかけです。
僕のスタジオも柔らかい自然光が入ってきれいな写真が撮れるのですが、白いフローリングの床&白壁のため、全体的には清潔感のある雰囲気になります。
メールで届いたイメージ写真はアンティークっぽい雰囲気だったため、「外部のスタジオで撮影しませんか?」と提案しました。
さらに、足のラインがきれいなモデルさんも、以前から時々一緒にお仕事をしている方に依頼。
僕の場合、純粋な作品制作だけでなく、仕事の撮影においても「世界観をいかに表現するか」を重視しています。
なので、最近は特にモデルやスタジオを含めたコーディネートまで担当することが多いですね。
予算を含めた概要を提示させていただいたところ、問題なく通ったので、日程を決めて実施することになりました。
自然光での「イメージカット撮影」の基本
まず大前提として「仕事の撮影」ではストロボ光という人工の光を使うことの方が多いです。
理由はいくつもありますが、基本的には「商品の色」「肌の色」をきれいに出すことができるためです。
自然光の場合、時間帯や撮影場所の条件によって光の色が変わるため、「正確な色を出す」ということは難しくなります。
では、どんなときに自然光で撮影を行うのでしょうか?
答えは「雰囲気を重視したいとき」です。
ストロボ光を使った撮影は「いかにも広告っぽいハイクオリティ」になってしまうことがあり、高級感を出すにはいいのですが、日常の空気感からはかけ離れたものに仕上がる場合があります。
そのため、「日常の延長なんだけど、ちょっとエモいな」という雰囲気の写真にしたいときには自然光を使うことが多いです。
自然光撮影の注意点
屋外・屋内とありますが、今回はカフェ風の場所やハウススタジオで撮影を行う際の注意点をまとめます。
何よりも重要なのは「光」を観察することです。
光の量を計測する
屋内での撮影の場合、見た目はけっこう明るいなと感じても「実際は暗い」ということがよくあります。そのため、露出計で光を計測します。
「露出計」というとなんだか難しいかもしれませんが、カメラ内に内蔵されているもので十分です。
プロっぽいやり方としては「単体露出計で数値を管理する」という方法があります。
自然光下での撮影は、11時頃と2時頃では明るさが全然違います。
そのつどアバウトに光を計測していると、明るい写真と暗い写真が混在してしまい、撮影後の明るさ調整が大変です。
細かい説明は省きますが、単体露出計を使うことで、光の量が変わっても安定した明るさの写真を撮ることができます。
光の向きを把握する
今回借りた場所は、サイド光が窓ガラスを通して拡散し、室内の照明光と混ざることで柔らかい質感になっていました。
サイドから光を入れるのか、少し逆光気味(半逆光)で光を入れるのか。
モデルの立ち位置や商品の置き場所を計算し、どこで撮影を行うかを判断する必要があります。
光の質感を判断する
屋内の場合、自然光と照明の光が混ざり合った「ミックス光」になっていることが多いです。
蛍光灯の下では緑色っぽい色、白熱光の下ではオレンジ色が混ざってくるため、自然光とのバランスを考えて、撮影場所を決める必要があります。
あとがき
今回は、カフェ風スタジオでの撮影レポートでした。
また、参考になりそうな撮影があれば、注意点をシェアしたいと思います。