最近はフォトグラファーが活躍する領域が広がっており、動画撮影を依頼される機会も増えています。直近で「写真+動画」の撮影が入ったため、以前から気になっていたLEDパネルライトをAmazonで購入しました。使ってみた感想をレビューします。
目次
僕のプロフィールと普段の仕事
普段はフォトグラファーとしての活動が7~8割です。WEBコンテンツや紙媒体の企画・ディレクションを行うことも多いです。
フォトグラファーの仕事は写真撮影だけでなく、動画の依頼も増えています。
とはいえ、写真に比重を置いた活動をしているので、多いときでも全体の2割ぐらいですね。
クライアントから依頼いただく内容によって、ディレクターとして動いて友人のカメラマンに撮影を外注するときや、撮影のみを担当するときなどさまざまです。
もちろん、撮影から編集まで担当する場合もあります。
購入に至った経緯
LEDパネルライトは動画撮影の案件ごとにレンタルしていたのですが、「ちょっとした動画撮影」や、写真撮影で「光量が少し足りない場合」に、手持ち機材として持っていた方がいいな…と以前から考えていました。
もっと早く買っておけばよかったとも思うのですが、購入しなかったのはいくつか理由があります。
どうせならいい機材を揃えたい
僕はフィルム時代からいろいろな機材を使っていることもあり、「安い機材=質が悪い」という先入観を持っています。
当然コストが品質に反映されるのであながち間違いではないのですが、どうせ購入するならそれなりにいいものを買いたいという派です。
そのため、新しい機材を導入する際には慎重に吟味します。
(安価な機材、と言っても数万円はしますしね…)
機材がかさばる
僕は都内にスタジオを持っていて、普段はそこで撮影しているのですが、機材ってどんどん増えていくんですよね。。LEDパネルライトのキットとなると、サイズが大きく、かさばるのは必然…。
どんどんモノが増えていくと断捨離も大変になるので、なるべく必要な機材以外は増やしたくない、というのが本音です。
LEDパネルライト SAMTIAN(2パック)
購入したLEDパネルライトはこちらです。
LEDビデオ照明ライトキット SAMTIAN 2パック
購入時の価格 22,999円(税込)
ブランド名の読み方がわからないのですが、YouTubeを見ると「サムシャン」と発音するようです。
最近、Amazonでは2個セットや3個セットだと割引で販売されているものが多く、検索すると数社のメーカー製品が出てきます。
基本的には人気の高いもの(一定数のレビューを獲得している)やPR製品(販売元が広告費を払っているもの)が検索上位に上がってきます。その中から選ぶことにしました。
SAMTIANのLEDパネルライトを選んだ理由
競合他社を含めると、以下の3社の製品に絞り込むことができました。
Newer
SAMTIAN
FOSITAN
購入を決めた翌週に撮影。そのため、購入機材の絞り込みに当てられる時間は1~2日。ほかにもいろいろ作業があるのでスキマ時間を利用して、3社の製品を見比べました。
購入に際して、参考にしたポイントをまとめます。
価格
いろいろ見比べてみたところ、これら安価なLEDライトの相場は1灯で1万円程度。スタンドとケーブルがセットになっています。充電池・充電器がつくと金額が上がるものや、最初からセットになっているものもあり、付属分はメーカーによって異なるという感じです。
2~3万円ほどを予算上限に決めました。
明るさ
「安価なライト=暗い」という傾向があります。購入してもたいして明るくならなければ撮影用途としてはかなり厳しくなってしまうため、選定時には機材の明るさも大事な要素でした。目安としては「ルーメン」という単位で記載されていることが多いのですが、安価な機材に関しては表記がいい加減なことが多いです。そのため、あくまでもざっくりとした目安として考えることにしました。
光源のサイズ
光源はなるべく大きな方が自然に光を回すことができます。
ただ、残念ながらなぜかAmazonにアップされている安価なLEDライトには、光源のサイズが記載されていません。
(記載されているのは梱包サイズのみ)
結構大きい問題ですが、海外サイト(Amazon.com)を見ても、正確な情報は拾えませんでした。
いずれにしてもそれほど大きなサイズではないと諦め、写真やYouTubeに上がっている動画を参考にしました。アメリカのフォトグラファーなどが上げてくれていた紹介動画を見たところ、おそらく長辺20cm程度。3社ともサイズは似たり寄ったりでした。
できれば30cm以上のものがよかったのですが、価格的に厳しいんだろうなと判断しました。
最終的に選んだ理由
候補に挙げた3社の中で、Newerの製品レビューが最多でした。LEDパネルライト以外にも、リングライトなどさまざまな撮影用機材を販売しているため、ユーザーも多そうな印象。
ただ、Amazonのレビューはあまり当てにならなさそうなものも多く(日本語があやしいものが多数…)、参考程度にしました。
とはいえ、多くの人が使っていることで安心感もあり、当初は第一選択肢でしたが、おそらくリアルに使ったユーザーさんであろうと思えるレビューで「思ったより暗かった」という意見を見て、再考。悩んだ末に候補から外しました。
SAMTIANを選んだ理由を挙げます。
価格的に予算内でリーズナブル
背面の液晶パネルで、色温度・明るさを調整できる
ちなみに、Amazonプライム会員なので送料は無料です。
注文後の翌々日には届きました。(通常、翌日配送が多いですが、大型商品は少し日数がかかる場合があります)
LEDパネルライト 商品レビュー
機材のセットは、黒いキャリングケースに入ってきます。持ち運び&管理に便利です。
中身を開けた状態はこんな感じ。わりと余裕があるので、ほかにも小物を入れられます。ただ、取っ手部分の強度はそれほどないので、重いものを入れすぎないようにした方がいいでしょう。
LEDパネルライト 2個パックの内容です。
LEDパネルライト本体2つ、電源用のACコード2本、スタンド2本、リチウムイオン充電池&充電器2つ×2セット、リモコンなどです。
マニュアルも付属しているので、わかりやすいです。
スタンドの写真。高さは66cmから200cmまで調節できます。
値段的に安価なので、耐久性はそれほどなさそうな印象です。僕の場合は毎日動画を撮影しているわけではないので、月に数回使う程度なら十分かと。ダボ(機材との接続部分)はオスダボといって、海外仕様。日本の機材では少ないタイプです。
僕はプロフォトというスウェーデンのメーカーさんのストロボ機材を使用しているのですが、「オスダボのしっかりしたスタンドで固定したい」というときには、プロフォトのスタンドを流用することにしました。
スタンドのオスダボ部分に取り付けられるボールヘッドも付属しています。角度を変えられるパーツですが、強度が弱いために耐久性には不安があります。安価なパーツなので、気になる人はしっかりしたものを購入してもよいでしょう。
LEDライト部分をアップ目で撮った写真です。公式サイトにはアップの写真が掲載されていないようなので、載せておきます。
LEDライトの保護カバーと思いましたが、透明フィルターです。
スタンドに装着したところ。
バーンドアといって、光の照射角度を調整するための板が4枚ついています。LEDライトの表面を保護する役割もあります。
他社製の安価なモデルだと、バーンドアがついていない機種も販売されています。金額的にはそれほど変わらないので、バーンドアつきを購入することをおすすめします。
リモコンも1灯につき1つ、付属してきます。手元で操作可能です。LEDパネルライトの場合、ライティングの際には実際にライトの位置を動かすなどの微調整を行うので、必ずしも必要性は感じませんが、高い場所から照射する際には、わざわざ脚立に上って背面の液晶で操作する必要がないので、便利です。
背面のデザイン。背面に液晶パネルがついており、簡単に光量や色温度の調整が可能です。最終的にこの機種を選んだ決め手になった理由のひとつでもあります。
明るさを変更する画面。M/Lのボタンで明るさと色温度調整の切り替えが可能です。
明るさはルーメン(Lm)という単位で表示されます。「ルーメン」という単位はプロジェクターなどでは一般的なのですが、いまひとつわかりにくいですね。目安としては、家庭用のプロジェクターと同じくらいの明るさです。(業務用の高価なプロジェクターは500Lmを超えるものもあります)
安価な通販製品の場合、メーカー表記と実際の明るさが一致しないことも多いために少し不安でしたが、問題ありませんでした。
本機は最大2200Lmで、ボタンを押すことで10%から100%まで調光可能です。
こちらは色温度を変更する画面です。3200Kから5600K(単位はケルビン)まで調節可能です。
明るさ、色温度ともに簡単に操作できます。見た目も安っぽくなく、悪くないですね。
買ったばかりで慣れておらず、撮影中にロックがかかってしまって焦ったのですが、マニュアルを読めばすぐに解除できます。
実際に照射するとこのような感じです。
直進性の強いLEDライトなので、モデルさんは少しまぶしく感じてしまいます。
撮影中には角度を調整して、直視しないように目線を指示する必要があります。
Model= Saori
LEDパネルライトを使ってモデルさんを撮影した写真を掲載します。1灯のみ、使用しています。
実際にはおもに動画撮影に使用するライトなのですが、参考にしてもらえればと思います。
使ってみた感想
「思ったより明るい!」というのが一番強調したいポイントです。
動画撮影用ライトの場合、暗い場所で光を足すことが目的なので、せっかく購入した機材の光量が弱いとはっきり言って意味がありません。
購入後すぐ、本番撮影に投入しましたが、ちょっとした撮影なら十分使えるという印象です。
・簡単なインタビュー
・美容グッズ、化粧品などのモデル撮影
・美容サロンなど(狭いスペースでの撮影)
・ストック動画撮影
何よりも、仕事で使える機材が2万円台、しかも2台パックで購入できるようになったことは驚きです。一眼レフでちょっとした動画を撮るときには十分使用できます。光量が足りなければ買い足すことでカバーできます。
欲を言えば、パネルのサイズがもう少し大きいとうれしいのですが、金額的にはかなりコスパの高い商品であることは間違いありません。
こうした機材って購入時の情報が少なく、Amazonの評価コメントを見て判断するしかないのが現状なので、少しでも参考になればと考えてまとめました。
また気になる機材があれば、レビューする予定です。