上手(かみて)、下手(しもて)という言葉をご存じですか?撮影(写真、映画など)やカメラや舞台、ライブなどに関連する業界で使われる専門用語で、演者やモデルが入ってくる方向を示します。知らないうちは「?」とさっぱりわかりませんが、よく使われるので必ず覚えるようにしましょう。
なぜ、上手(かみて)、下手(しもて)って呼ぶの?
舞台やライブ、撮影などで使用される言葉です。写真撮影の場合、撮影者からモデル(被写体)を見たときに向かって右を上手(かみて)、向かって左を下手(しもて)といいます。
モデル(被写体)からすると逆になります。被写体の左側の方を上手、右側が下手です。
わざわざこんな呼び方をしなくても「右」「左」でいいじゃん、と思う人もいるかもしれませんが、そういうわけにはいかないんです。
「右」「左」と言っても、多人数が一斉に動く現場では、いったい誰から見て右なのかわかりません。
特にライブや演劇などのステージでは、演奏中にインカムでPAなど多数のスタッフがやりとりしています。そのときに「右」って言っても「どっちよ!」って混乱してしまうからです。
上手、下手の覚え方
人によっていろんな覚え方があり、これが一番覚えやすいというのはないんですが、僕の場合は右の手のひらに小さいほくろがあるので、「ほくろがある方(右)→ない方(左)」「上手→下手」という風に覚えています。
ただ、ほかの人だと同じ覚え方や厳しいと思うので(笑)、違う方法を。
バンドがステージに立つときには、ギターが上手(向かって右)で、ベースが下手(向かって左)のことが多いです。
ビートルズも同じですよね。
ライブハウスのステージも、ギターアンプが上手、ベースアンプが下手。
立ち位置が異なるとセッティングにも手間がかかりますし、大体決まっています。
(もちろん、立ち位置が逆のバンドもあります)
音楽好きな方だと、この覚え方がわかりやすいですよね。
また、
「右目が利き目の人が多く、人は右の方から左に自然と目がいくから」
という説もあります。
なるほど~と思うので、僕はこの方法で覚えています。
上手、下手を使う現場
撮影(ファッション撮影、商品撮影)、映画、TV(ドラマ、バラエティなど)
ライブ、(演劇やお笑いなどの)舞台、歌舞伎
といった、さまざまな分野で使われています。
ポイント
スタッフ側から見た上手… 向かって右側、下手は左側
演者から見た上手… 向かって左側、下手は右側
です。
写真の撮影現場では
普段の撮影でも、場所を指し示す場合は「上手・下手」という呼び方をします。
照明(ストロボ)の指示もそうですね。メインライトは下手側から「この機材は上手に置いておいて」みたいな言い方です。
モデルさんにも「体をやや上手の方に振ってみて」と伝えます。
人物ポートレートではほぼ毎回使う専門用語ですので、早めの段階で覚えてしまいましょう。