原稿作成(ライティング)を仕事にする専業のプロライターには、さまざまな得意分野があります。特にビジネス系の案件はつねに需要があるのですが、そのひとつに「求人ライター」という仕事があります。今回は、意外とあまり知られていない、求人ライターという仕事について詳細をまとめてみました。
「人財」は大きなビジネス
少子高齢化、人口減少…。残念ながら日本の先行きは暗い話ばかりですね。
ただそんな中でも、企業は収益を上げて、なんとか生き残っていかなければいけません。
ご存じの通り、現在の日本の求人状況は「売り手市場」です。
コロナショックなどの予測不能な事態が生じたとしても、社会構造によほど大きな変化がない限り、長期的には「求職する側」が有利な状況が続くでしょう。
企業としては、少しでも優秀な人材を確保しないと、競合他社に打ち勝つことができません。
まさに人は財産。
「人財」と言われるほど、求人市場は大きなビジネスになっています。
どうやって求人ライターになる?
新卒・転職者を募集するためのビジネスサイトや、就職・転職、ヘッドハンティングなどを主業務とする会社が、時々「求人ライター」の募集を行うことがあります。
また、WantedlyやIndeedなどの求人サイトや、クラウドワークス、ランサーズといったクラウドソーシングサイトで募集されることもあります。
求人ライターに必要なスキルは?
専門的な分野のため、求人ライターになるのは少々難しいことは事実です。
まず、依頼する側の企業は、その人の人柄や第一印象をとても重視します。
就職の面接と一緒ですね。堅実で、真面目そうに見える方が有利です。
また、求人ライティングやビジネス系のライティングに関する実績も非常に重要です。
もし求人ライティングに関する実績がない場合、企業系の案件をたくさんこなして、ライティングスキルを身につけましょう。
また、原稿作成だけなく、インタビュー相手からさまざまな話を伺ってまとめるインタビュースキルも必要です。
求人ライターでどれくらい稼げる?
発注元の企業によってさまざまです。平均すると取材と原稿作成料を合わせて、1本あたり2万円以上というのが相場ではないでしょうか。もちろんもっと安価な案件もありますし、大手になると3万円以上ということもあります。ただし、単価が上がるほど専門知識や、豊富なインタビュー経験が必須となります。大手の場合は取引先のクライアントとの関係が深いため、失敗できないというプレッシャーもあります。
企業のホームページだけなく、会社案内(パンフレット)に掲載する記事を書く場合はさらに単価が高くなります。
他分野のライター業務より全般的にギャラは高めですが、どのような企業を訪問しても臨機応変に動ける必要があります。
求人ビジネスの単価が下がらない理由
求人ライターの報酬単価が高いのは、労働者の「最低賃金が定められているから」という理由もあります。
求人ビジネスに関わる企業は、ある程度以上の報酬を確保できるため、単価が著しく低くなるということはありません。
不景気の際にも一定需要はあるので、手堅い分野だと言えます。
あとがき
「求人ライター」になるには、インタビューや原稿作成のスキルが必要なために比較的難しく、それなりに競争が激しいのも事実です。
ですが「さまざまな企業を訪問して、いろいろな話を聞いてみたい」「知識の幅を広げたい」という人にとっては、やりがいが大きい仕事であることは、間違いありません。