おいしい食べものを食べてるときって幸せですよね。僕も食べることが大好きなので、ヒマさえあればいろいろなものを食べに行っています。(とはいえ、安価なもの限定ですが)今回は「食べることを仕事にする」という素敵な職業「フードライター」になるための方法について、詳しく見ていきましょう。
目次
フードライターとは?
衣・食・住と言うぐらい、「食」は僕らの生活において大きなウェイトを占めています。
そのため、フードライターというくくりの中には、さまざまな種類の仕事があります。
クラウド系サイトのアンケート
いままで食べに行った飲食店の感想を、アンケート形式で答える仕事です。1件あたりの報酬単価は安いですが、30分程度で終わる簡単な質問が多いです。
書いた文章が不採用になることも少なく、ちょっとしたおこづかい稼ぎといったイメージです。
覆面調査員
フードライターとは言い切れませんが、ミステリーショッパーとも呼ばれる覆面調査員の中には、匿名で一般客と同様にレストランで食事をするものがあります。
食事後、簡単なアンケートに答えることで報酬を得ます。原稿作成というほどハードルは高くないため、「なんとなく文章を書くのが好き」「探偵に憧れる」という人におすすめです。
フードメディアのWEBライター
オウンドメディアや、グルメ関連取材をまとめたWEBメディアサイトの仕事です。取材なしで「東京のおいしいバーガー屋さん6選」のようにリサーチして書く「書き原稿」と、実際に取材を行って記事を書く「取材原稿」の2種類があります。
雑誌やフリーペーパーの仕事
いわゆる「紙媒体」の仕事です。フード関連の情報はあらゆる雑誌やフリーペーパーに掲載されるため、案件数はそれなりにあります。媒体の規定に応じた報酬が支払われます。
フリーペーパーでも、大手代理店が制作している広告案件に近いものだと、それなりの原稿料が支払われます。
WEBメディアと異なるのは「取材なし」ということがあまりない点です。基本的には取材を行った上で原稿を書くのが一般的です。
料理本のライター
いわゆるムック本(雑誌と書籍の中間)の仕事です。
雑誌やフリーペーパーのライターと近いですが、場合によっては撮影当日の仕切りといった編集的な仕事を担当する場合があります。(編集とライターさんを別々に立てることが多いですが、全体の予算によっても変わってきます)
また、フードコーディネーターが作成したレシピ情報のチェックなどの仕事が含まれることがあります。掲載する写真の点数が多いため、通常はキッチンスタジオなどで1日、または数日間撮影が行われます。
丸々一冊を手がけることもあり、その場合の拘束期間は1カ月以上と長くなりますが、ページ数が多いためにまとまった原稿料が支払われます。
また、できあがった本が実績になるのも強みです。
レシピ本のライター
最近は調理器具の製品発売時に、レシピ本が同梱されることがあります。
たとえば炊飯器やプライパン、鍋、焼肉用のグリルなど、さまざまなものがあります。
メーカーとしては「こんなにたくさんの調理ができる」ことで製品の販促につなげたいため、このようなレシピ本の作成に力を入れています。
一般的には、宣伝部のような部署から販促費として予算が出るため、原稿料は高めです。
レシピ作成
メニューの考案やレシピ作成はライターではなく、フードコーディネーターが手がけることが一般的になっていますが、「肉じゃが」のようなよくあるレシピを紹介する場合にはライターがレシピを書くこともあります。
広告案件(パッケージ、リーフレット etc.)やレシピ本などでのレシピ作成は別途費用が発生するため、ライターとして原稿が書ける&フードコーディネーターとしてのスキルがあると、仕事の幅が広がります。
ただその場合は「栄養士」「管理栄養士」といった資格が求められるため、ハードルは上がります。
飲食店取材の詳細
グルメサイトや雑誌などの仕事では、店舗を訪れ、お店の雰囲気や人気メニューについて取材を行います。文字数は一般的に多くても数百字ほど、1日に数件を回ることが多いのでフットワークの軽さが求められます。通常はカメラマンとセットで動きますが、自分のカメラで撮影を行うことも珍しくありません。中には、複数の写真を使って1000字を超える長文を書く案件もあります。
運がよければ(または仕事の内容によっては)、取材時につくったメニューを食べさせてもらえます。
どうすればなれる?
グルメサイトやフード関連情報を掲載しているサイトなどから記事作成の案件をもらうのが近道です。経験を積むことによって、徐々に紙媒体などの仕事をこなせるようになります。
また、雑誌の編集部や制作会社などを経て独立し、そのままフリーのライターになるというルートも王道です。
紙媒体の場合、雑誌などの記事を書いたことが一度もないと仕事を任せてもらえることが少ないので、小さな記事でもいいので何かしら実績を積み上げていくことをおすすめします。
広告案件も同様に、経験や実績が重視されます。
フードライターはどれくらい稼げる?
いくら稼げる、というのは一概では言えませんが、おもに媒体と案件の内容によって変わってきます。
クラウド系サイト
一番始めやすい、クラウド系サイトのアンケートは1案件50円程度から数百円というものが多いです。文章の技術的にもそれほど高いレベルは求められません。
覆面調査員
1回あたり500円程度から数千円の謝礼、場合によっては食費は個人負担で現金ではなくサイト内で使えるポイントを還元、というケースも存在します。
クラウド系サイトや覆面調査員の仕事は手軽な反面、ライターのキャリアにはつながらないため、フードメディアのライターなどから経験を積むのが一般的です。
フードメディアのWEBライター
グルメサイトなどのライターだと、原稿1本あたり1,000円~数千円が相場です。企画提案から撮影までをこなすと、1~2円万を超える場合もあります。
雑誌やフリーペーパーの仕事
紙媒体は、「ページ単価」といって1ページあたりの原稿料が支払われます。ただし、多数の店舗を紹介する「鎌倉グルメマップ 有名店300店を掲載!」のような本の場合、取材費に限りがあるため(カメラマンへのギャラも発生します)、1店舗あたりの原稿料が取材費込みで数千円、ということも少なくありません。
ムック本を丸々一冊担当する場合、原稿作成だけでなく、台割(設計図のようなもの)やラフ作成(ページのレイアウト図面)、スタッフの手配、関連取材先への原稿チェックなどの編集業務を請け負うことで、報酬単価が大幅にアップします。
具体的には数十万円から、案件によっては数百万円(ただしスタッフのギャラ込み)になります。ただし、金額が大きくなるとそのぶん作業量も膨大に増えていきます。大きな案件では、複数のスタッフと連携し、チームで動くことが必要になってきます。
広告関連の案件(パッケージ、リーフレットなど)
間違った情報を掲載するとメーカーの信用に関わるため、全体的に記事単価は高めですが、案件内容と作業工数によっても異なります。
書籍の執筆
書籍の著者として本を出す場合、発行部数に応じた印税が支払われることもあります。(印税の場合、部数×本の定価の10%程度が相場です)
フードライターとして身につけたいスキル
料理やおいしいお店に関する知識や、文章力はもちろんですが「簡単な写真を撮ってもらえるとうれしい」と言われることもあるので、写真撮影が得意な方が有利です。一眼レフでなくても、ミラーレスカメラはあった方がいいでしょう。
また、編集スキルや企画力も、仕事の幅を広げていく上では重要です。この場合の編集スキルというのは、紙媒体をつくるための台割作成、特集のページ組み、コーナー企画の立案、ラフ作成、写真ディレクションといった業務を含みます。これらの作業ができると、WEB媒体でも応用が利きます。
また、特定の専門分野をつくるのもプラスに働きます。「〇〇〇には誰よりも詳しい」という知識があれば、将来的に本を出すことも可能です。
フードライターは、食が好きな人にとってはやりがいのある仕事ですが、少しずつスキルアップしていくための勉強が欠かせません。案件のレベル感にもよりますが、必ずしも食分野に特化しているライターさんでなくてもやる気次第で関わっていくことが可能です。
興味がある人は、自分なりに情報を集めてみてください。