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「台割」とは?雑誌やカタログなどの設計図【編集者の基礎知識】

2020年2月2日

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「台割」とは?雑誌やカタログなどの設計図【編集者の基礎知識】

2020年2月2日

雑誌やムック、カタログなどの本をつくるためには、テーマやコーナー企画の立案以外にも、さまざまな準備が必要です。中でも、重要な設計図となるのが「台割(台割り・だいわり)」と呼ばれるもの。
今回は、紙媒体の編集・ライティングに必要不可欠な台割について、詳しく説明します。
将来、雑誌や写真集の編集をしたいという人に役立つ知識です。

台割ってなに?

雑誌、ムック、写真集といった本をつくる際の設計図です。50~60ページを超えるようなある程度ページ数の多い本を制作する場合には不可欠ですが、20ページ程度の冊子でも印刷所とのやり取り上、必要となることがあります。

台割をつくる理由

外部の人が見たときに、本の中身を可視化することです。
雑誌やムックの場合、1コーナーのページ数は4~6ページ程度など、細かく分割されていることが多いため、どのページに何が掲載されているかという設計図が必要になります。
小説や手記、ビジネス本、自己啓発本など、ほとんどの情報が文字だけで構成される本(いわゆる書籍)の場合、中身の構成が雑誌やムックなどに比べてシンプルなため、台割を作成しないことも多いです。
いずれのケースにおいても、印刷時には確認用のPDFをデータと一緒に入稿することで、ページ順に間違いがないようにします。

台割の種類

台割にはおもに、タテヨコの線を引いてでつくった表形式のものと、四角をふたつ並べてページの状態を見開き状態で表した形式の2種類があります。
前者はMicrosoft Excel(エクセル)などの表計算ソフト、後者はMicrosoft PowerPoint(パワーポイント)やAdobe Illustrator(イラストレーター)のようなプレゼンテーションソフト、グラフィックソフトで作成するのが一般的です。後者のグラフィック形式の方がパッと見てイメージしやすいのでわかりやすく、カタログの制作時などにクライアントへ見せる資料としては使いやすいです。その反面、ページ変更があった際の修正がしにくいという特徴があります。

対して、エクセル表形式の台割はシンプルでページ情報の入れ替えも用意なため、どちらかというと編集者同士や印刷所とのやり取りでは好まれる傾向にあります。(と僕は思います)
ただ、慣れていない人にとっては、実際の仕上がりをイメージしにくいというデメリットもあります。

台割のつくり方

台割はまさに、紙媒体(雑誌、ムック、冊子)の設計図と呼べるものです。WEB制作でいうと、サイトマップに当たります。
編集やデザインは、基本的に「大枠から徐々に、小さな細部をつめていく」という作業順の方が効率がいいです。
そのため、本の制作時には、まず全体のテーマや本のタイトルを決めます。
全体のテーマが決まると、編集者は一般的な本の体裁に合わせて、巻頭特集、第二特集、特集に関連したコーナー企画、映画や音楽などのカルチャー企画、連載企画などにページを割り振っていきます。また、雑誌やムックの場合、広告のスペースを入稿ぎりぎりまで空けておくことが多く、広告が入るか入らないかによって、ページ順が入れ替わることもあります。
この際に、表回りと呼ばれる表紙周辺のページは別にして、中面を1ページからカウントします。
各ページにはそれぞれノンブル(何ページ目かを示す番号のこと)を表記し、内容を簡単に記載します。細かく丁寧に、というよりは中身がわかるようにすることが大事なので、シンプルに文字情報だけを記載します。(丁寧に作り込む作業はラフ制作やデザインといった別フローになります)
また、各ページには印刷の色(4色印刷の場合は4CまたはCMYK、1色の場合は1Cといった表記)を書き込みます。

台割はプロの編集者への第一歩

今回は紙媒体の制作に欠かせない、台割についてのお話でした。新米編集者のうちは、エクセル表を見ただけで中身をイメージすることができなくて大変なのですが、慣れるとすごく作業が進めやすくなります。
最初の頃は1コーナー分のラフ作成しか任せられないことが多いですが、台割を書けるようになると丸々一冊の本を企画できるようになります。そういった意味ではまさに、台割作成はプロ編集者への第一歩だと言えます。
興味がある人は、ぜひ一度つくってみてください。

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Atsushi Yamada

Atsushi Yamada

写真家。ときどきディレクターもやってます。 ワーホリ渡豪、20代で出版社立ち上げてフリーに。 英会話は日常会話レベル。都内の自社スタジオに棲息。 ブログでは写真や文章、クリエイティブ全般について語ってます。

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