デジタル一眼レフカメラを使用する限り、イメージセンサーに付着するゴミの写り込みは避けることができません。今回は、Adobe CCで利用できる「Adobe Lightroom」を使ったゴミの消去ツールについて、まとめていきます。
目次
イメージセンサーのゴミとは?
デジタル一眼レフカメラは、ボディの中にあるセンサー(イメージセンサー)でレンズから入ってきた光を電気的な信号に変え、画像として記録します。
簡単にいうと、このセンサーが「フィルム」の役割を果たします。
ただ、フィルム時代と異なり、高画質化が進んでいるデジカメの場合はちょっとした内部のゴミが黒や白の「点(スポット)」として画像に写り込んでしまうことがあります。
こうした異物は、おもにレンズを交換する際に混入することが多いのですが、細かいホコリのようなものはレンズをつけっぱなしにしていたとしても細部から入り込んでしまうことがあります。
ボディ以外に、レンズに混入してしまうゴミもあり、高機能で複雑化している精密機械である以上、避けようがない…というのも事実です。
(そんなわけで、センサーやレンズに関しては定期的な清掃が欠かせません)
特に「青空」や「グレーの背景紙」といった、単色の部分だとゴミが目立ちやすいです。
Adobe Lightroomとは?
写真修正の定番ソフト、Adobe Photoshopの姉妹版として対応したアプリケーションソフトウェアで、定額制サービス「Adobe CC」に加入することで使用できます。
簡単な色調整を中心とした「RAW現像」(JPEGデータなどの調整もある程度可能です)と、選定作業がおもな機能です。
2020年時点では「Lightroom Classic」と「Lightroom」の2種類があります。
「Lightroom Classic」と「Lightroom」の違い
「Lightroom Classic」はデスクトップでのガッツリ作業に特化したもので、どちらかというとプロ向け、「Lightroom」はクラウドベースで、スマホでも調整を行うなど、出先から手軽に編集できるようにしたソフトです。
今後のことはわかりませんが、まだまだ多くのプロフォトグラファーは「Lightroom Classic」の方を使っています。
ポイント
今回紹介するセンサーゴミの消去は「Lightroom Classic」「Lightroom」のどちらでも行うことができます。
ゴミを消去するには?「スポット除去ツール」を使う
現像モジュールで「スポット除去ツール」を選択
・右上の「現像」をクリックし、現像モジュールに切り替えます。
・右側のパネルの上部にある「スポット除去ツール」を選択します。丸いボタンのアイコンです。
・「スポット除去ツール」を選択したら、右下に書かれている「修復」という文字をクリックします。
ブラシのサイズを変更する
「サイズ」「ぼかし」「不透明度」を調整します。除去したいゴミよりも少し大きめのサイズにするのがポイントです。
「ぼかし」はサイズ変更に合わせて自動で調整されるのですが、作業しづらい場合は変更してみてください。
「不透明度」は、初期状態で100ですが、基本的にそのままで大丈夫です。
ポイント
ショートカットでブラシの「サイズ」を変更
ブラシのサイズを変更する際には、
[(ブラシを一回り縮小)
] (ブラシを一回り拡大)
のショートカットを利用すると効率がいいです。
「スポットを可視化」で除去できていないゴミを確認
WEB解像度であれば、目で確認できるゴミだけで大丈夫なのですが、高解像度で写真を印刷する場合などではパソコンの画面上では見えにくいゴミが印刷されてしまうことがあります。
特に、最近のプリンターは6色、8色といった多色印刷が可能なため、通常の4色印刷では現れなかったゴミが印刷されてしまうことがあります。
「スポットを可視化」でゴミをチェック
・「現像モジュール」で、スポット除去ツールを選択します。
・画面下にある「スポットを可視化」のチェックボックスをオンにします。
・画像が白黒反転の状態で表示されます。
・「スポットを可視化」の横にあるスライダーをずらすことで、白黒反転画像のコントラストを変えることができます。これによって、ゴミが見つやすくなることがありますので、調整して確認しましょう。
・ゴミが新たに見つかったら「スポットを可視化」のチェックを外して、スポットを消去します。
・「スポットを可視化」で再度確認、ゴミがなくなるまでこれを繰り返します。
あとがき
今回は、Adobe Lightroomを使ったセンサーゴミの修正方法をまとめてみました。
「スポット除去」を使えば、簡単にゴミが消せるので便利です。
カメラの高画質化・レンズの高性能化に伴い、ゴミが写りやすくなっているのはフィルム時代との大きな違いです。
定期的にゴミが写らないように清掃を行うのが一番ですが、写り込んでしまったゴミは後処理で消してきれいな写真に仕上げましょう。