働き方改革によってテレワーク環境が整備され、会社に属さずフリーランスで働く人が増えています。
フリーランスは、働いた分だけ自分の収入になり、会社員に比べて自由度が高いです。
しかし、その反面、老後にもらえる年金や、健康保険など福利厚生面に関しては会社員に比べると心配な部分も…。働けなくなったり、仕事がなくなったりすると不安を感じやすいでしょう。
フリーランスの福利厚生面の不安を払拭してくれるのが「付加年金」という制度です。
ここでは付加年金制度について詳しくまとめてみます。
目次
真っ先に利用したい年金制度のオプション
フリーランスは毎月の月収が決まっているわけではなく、働ければ働いた分だけ収入が増えます。収入がよい年もあれば、悪い年もあるので、会社員に比べて不安定です。
さらに、フリーランスは会社員と比較すると、老後に受け取ることができる年金額が大幅に少なくなります。サラリーマンでは厚生年金に加入しているため、保険料を会社が半額分負担してくれています。
一方、フリーランスは国民年金に加入し、すべてを自分で支払わなければなりません。
納付している税金が少なくなるため、老後もらえる年金は、一般的な会社勤めの正社員より少なくなってしまうのです。
老後の生活資金は最低でも2000万円以上が必要と言われています。
少しでも年金を多くもらうためにはどうすればよいでしょうか?
そんなフリーランスの方にぜひおすすめしたいのが「付加年金制度」です。
付加年金はいわば国民年金のオプション追加のようなもの。コスパの高い制度で、フリーランスなどの個人事業者が加入できます。
付加年金制度とは?
付加年金制度とは、公的年金の1つで、月額400円支払うことで、将来の年金に上乗せできる制度になります。確定給付で、受け取り時には「200円×付加保険料を納付した月数」の金額が毎年加算されることになります。
付加年金制度に加入できるのは?
付加年金制度は加入できる人は以下の通りです。
・個人事業主など国民年金第1号被保険者
・任意加入被保険者(65歳以上を覗く)
加入した際の受給額シミュレーション
実際に付加年金に加入した際の受給額をシュミレーションしてみましょう。
40年付加年金保険料を払った場合(受給年齢65歳)
保険料:400円×240ヶ月=96000円
受給額:200円×240ヶ月=48000円
20年付加年金保険料を払った場合(受給年齢65歳)
保険料:400円×480ヶ月=192000円
受給額:200円×480ヶ月=96000円
つまり65歳から2年間年金を受給すれば、かけた保険料は戻ってくるというわけです。
付加年金制度のメリット
付加年金制度にはたくさんのメリットがあります。まとめてみましょう。
コスパが高い
2年年金を受給すれば、付加年金の保険料のもとを取ることができるので、コスパが高いです。
控除対象
フリーランスでは確定申告を自分で行うことになりますが、付加年金も控除対象になります。年金の納付金額は、所得から控除できるので付加年金に加入しておいて損はないでしょう。
繰り下げ支給も選択できる
付加年金は繰り下げ支給も対応しているので、支給する年を伸ばせばさらにもらえる年金額は増えます。
ちなみに、繰り下げ支給では、1ヶ月支給を遅らせると給付額が0.7%ずつ増加する仕組みになっています。
付加年金制度のデメリットは?
メリットの多い付加年金制度ですが、もちろんデメリットもあります。
インフレリスクあり
付加年金には物価上昇に弱いというデメリットがあります。付加年金でもらえる受給金額はあらかじめ固定されているため、インフレリスクがあるのです。
受給開始年齢が変動する可能性あり
年金と同じように、付加年金も受給開始年齢が変動する可能性があります。現在の支給年齢は65歳からですが、今後もらえる受給年齢が変わるかもしれません。
加入方法
付加年金の加入方法はとても簡単です。お住まいの市区町村役場、市役所、区役所に電話するだけ。「付加年金に加入したいので、申し込み申請書をください」と伝えれば必要書類を送ってくれますよ。2-3日後には書類が届くので、必要事項を記入して送付しましょう。
また、市役所の窓口で直接申し込むこともできます。申し込みの際には、基礎年金番号の記入が必要になります。手元に年金手帳や過去の振込表などの書類を揃えていくとよいでしょう。
ちなみに、付加年金は遡っての支払いはできません。申し込みする最短月からのスタートになります。付加保険料の納付は、申し込んだ月分からとなり、保険料の納期限は、翌月末日です。
あとがき
フリーランスなど個人事業主の老後にもらえる年金は、会社員がもらえる厚生年金に比べて安いです。年金を補うという意味でも付加年金の加入はおすすめ。また、付加年金は控除対象となるので、早めに加入することをおすすめします。